クッキングの実況

日曜日、第1回ウィズガス全国親子クッキングコンテスト千葉県大会において
司会&実況のお仕事をしてきました。

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司会は、開閉会式をつつがなく進める役割です。
では、実況はというと・・・、お料理中の親子の様子をカメラで中継して
別室で待つ家族の方や関係者向けに流すのですが、その際の描写・インタビューです。
(いわば、一昔前の、「料理の鉄人」的映像をイメージしてください。)

無事に終了したから書けるのですが、今回、正直、前日まで非常に不安でした。
私はラジオ出身です。調理時間60分を喋り通せといわれたら細かいところまで喋ります。
でも、今回はカメラの映像ありきです。せっかくの雰囲気を壊してしまわないか。
壊さないためには何を言葉で伝えて何を黙っているべきなのか。
料理の鉄人のDVDがないか、近くのTSUTAYAに行ったりもしました。
(結局見つからなかったのですが)

そして、不安のもうひとつ。それは、料理に疎いということです(汗)。
日々の食卓を彩っている・・・とはとても言えない不良主婦。
クッキングコンテストというくらいです。
書類選考を勝ち抜いた親子12組24名。
各チームのレシピは事前に手元にいただいていたので、
一つ一つどこがポイントになるか予習をしていきましたが、
実況する以上、曖昧なままや知ったかぶりで進めるわけにはいきません。
インターネットはもちろん、生き字引が一番かと思い、実家の母に聞いたりもしました。
「すごいねぇ、小学生がこういう料理するなんてねぇ。工夫してるねぇ。」
『本当にねぇ、私とは大違いだよ』
「・・・ちゃんとあなたもやりなさいよ・・・」
『は、はい』

というわけで、緊張した面持ちで会場入りしました。

でも、変な緊張感は、親子が入場してきたときに一気に吹き飛びました。

大会だけど、コンテストだけど、料理って本来楽しいもの。
子供たちはワクワクしながら自分の出番を待っているのです。
親たちも一緒に子供とキッチンに立てるのを喜んでいるのです。
そう思ったら、開会式も堅苦しくなく、笑顔で進めたいなぁって。
注意事項などを伝える際も、分かりやすく丁寧に・・・と心がけました。
出場親子の名前を読み上げると、みんな元気に「はいっ!」と手を上げてくれて、
時には笑いも。
結果的に、来賓の方々やクライアントさん、代理店さんからは、始まる前から
「司会者さん、ほのぼの賞!」なんて嬉しいお言葉をかけていただきました(苦笑)。


さあ、いよいよ、調理実技です。
(私は料理しないくせに、実況前で気持ちが高ぶります)
6組ずつ各60分。つまり、のべ2時間。
準備すべきものを身につけます。

まず、スタッフ証。まあ、これは一応。
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次に、時間を計るストップウォッチ。
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三角巾。(千駄木の「いせ辰」で買ったハンカチを使いました)
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そして、スタッフから「これでよろしくお願いします」と手渡された・・・ホイッスル。
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私の「よーい、スタート。ピーッ♪」の合図でいっせいに始まりました。

当たり前なのでしょうが、皆さん手際がいいので驚きました。
親子のコンビネーションが抜群なのです。
「まずは野菜切って」『これくらいの大きさでいい?』
「水加減だいじょうぶ?」『お母さん、火つけるよー』
みんな真剣。でも、楽しそう。

早速、各キッチンテーブルのところへ行き、インタビュー。
「今は何をしているところ?」
「○○ちゃん、いつもお料理するの?」

もちろん、実況も。
「はい、今、油が入りました」
『卵を勢いよくかき混ぜます!』

時折、ディレクターからインカムに
「河西さん、3番テーブルの方、行ってください」というような指示が出ます。
そのときは、ちょうど何かが行われている絶好のタイミングということ。
「うわー、いい具合に魚が焼けました」
「鍋を開けましょう、せーの!」
どんな焼け具合なのか、鍋をあけたら湯気がどんなだったかなど、
ラジオなら細かく説明が必要したいところ。
もちろん、癖で無意識に喋ってしまったときもたくさんありましたが、
私自身、何より楽しみながら覗きに行っていました。

そうそう、途中、審査員の先生にお話を伺ったりもしたのですが、
その中で「あなたは料理してますか?」と
いきなりニヤニヤしながら質問を返されたシーンがありました。
「え、私?私に振りますかー!いやー、皆さんにかなわないですねー」
完全に、素でしどろもどろ。
「これからがんばります」なんてカメラに向かって決意表明(苦笑)。
そんなアットホームな雰囲気。

残り時間のコールも私の仕事。
「15分経過しましたー」『あと30分ですー』

時間が経つほどに、いい音が、いい香りが、いい色合いが飛び込んできます。
私の実況の声も、だんだんヒートアップ。

そのうち、「できたー!!!」大きくアピールしてくれる親子。
自信たっぷりなチームもいれば、いつもと違う器具で焦っちゃったというチームも。
でも、それぞれに、出来上がった料理を目の前にすると、
やっぱり笑顔でインタビューにこたえてくれます。充実感と達成感を味わう瞬間ですね。

しかしまあ、料理研究家の先生方もビックリの出来栄え。
朝早くから会場入りしていた私も、ぐぅぅぅぅぅとおなかがなりそうで大変でした。

審査は当然難航。結果、上位2チームが関東大会に進出です。

優勝は、ピーナッツピラフ・秋刀魚と舞茸の香味炒め・きらりんトマト(デザート)の
3品を見事に作った親子。
全てのメニューに千葉県の特産が使われているのがポイント!
ちなみに、お子さんは5年生の男の子でした!

準優勝は、ご自宅で何かお祝い事があったときに必ず作るメニュー、
五目ちらしずし・ロールキャベツもどき、蒸しケーキ・サラダを作った親子。
(「もどき」というのは、キャベツを巻くのが難しい&食べるときにキャベツが切れなくて
子供たちが大変なので、油揚げの中に刻んだキャベツとおからを混ぜて入れるらしい。
しかも油揚げをとじるとき、楊枝ではなくて細いスパゲッティを使用。すごい工夫ですよね!)

表彰式でも喜びの声を拾ったのですが、
佳作のお父さんが「これからも、ガスを使って、千葉の食材で料理していきたい」と
100点満点のナイスなコメント。会場は大盛り上がり。

ショールームのキッチン。
普段、お料理教室などが行われているこの場所で、精一杯がんばった、
若き・・・というより幼き精鋭たち。
私も負けずに、いやいや、勝ち負けではなくて、楽しく、お料理していきたいと
心から思えた1日でした。
by mikikasai819 | 2007-11-12 23:54 | はたらき(お仕事) | Comments(0)

元ラジオ局アナで今はフリーで活動中、河西美紀(かさいみき)のげんき・やるき・ほんきのつぶやき。


by mikikasai819