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誕生日メールの絆よ、永遠に。

昨日の午前中、お仕事の前に、1年ぶりに訪れた場所。
中学時代からの友だったS(仮)の自宅です。

Sは昨年5月に闘病の末38歳でこの世を去りました。
私にとって本当にかけがえのない男友達で、
性別を超えた、恋愛関係とは無縁の、
そうかといって何か悩み相談をしあうわけでもなく
くだらない話をしてただただ笑っていました。
それでも、亡くなってからさらにその存在の大きさに気づかされて
事あるごとに思い出していました。
(関係性が分かりにくいと思うので、Sに関する記述はこちらの記事参照)

いつもお互いの誕生日にメールをやり取りしていたので
今年も・・・と思い、Sのお母様に勇気を出して連絡をしたところ
「覚えていてくださったのですね!」とすごく喜んでくださって、
このたびお線香を手向けさせていただくことにしました。

Sは確かに昔からの気の置けない友達ではあったけれど、
大人になってからはそんなに頻繁に会っていたわけではなく
1年に2度、互いの誕生日にメールをすることがきっかけで
「久しぶりに会うか!」という流れになっていました。
(去年、その恒例のメールをSに送って1年ぶりに会ったときが
末期がんで、会った2週間後に亡くなったのでした・・・。
ショックすぎたけれど、誕生日メールがなかったら
会えないままだったかもしれないと思うとやはり大切なやりとりでした。)

するとお母様がこういうことをおっしゃいました。

「実はね、河西さんのお誕生日が8月19日で
毎年お祝いのメールをやりとりしていたのを知っていたから、
息子が亡くなったあと(=去年)、
私から当日にメールしようかと思って本当にすごく悩んだんです。
でも、そういうのは重たいと思われるかなと思ってやめてしまって。」

「とんでもないです!そのお気持ちすごくうれしいです」

実際、去年の誕生日、ああ、もうメール来ないんだなと思って
すごく悲しかったこともあったし、今年のSの誕生日、
もう携帯は使われていないと知りながら試しに送ったら
案の定戻ってきてしまって、そりゃそうだな(苦笑)と思ったし。
現に、お母様ともこれまでにも何度もお会いして
昔から、家に遊びに行って、親しくさせていただいていたので
そう思ってくださる優しさが心から嬉しかったのです。

「不思議なんですよね、河西さんには
身内ではないのにいろいろ話したくなっちゃって(笑)。
でもね、あの子にとって河西さんは自慢の友達だったんです。
私にもよく話をしてくれました。
本当に、大きな意味で大好きな人だったと思います。
ご結婚もされているのに、なんかこんな言い方も申し訳ないけど。」
(Sは生涯独身で、友達も少なかった)

そう、私の立ち位置は我ながら不思議だと思います。
でも、うまく説明できない関係性があってもいいのではないかなと。
大事な友達であったことには変わりはないのですから。


今回ご自宅に伺ったのには理由があります。
まだ納骨しておらず、3回忌までには・・・ということだったからです。


「お墓が決まったらご連絡してもいいかしら。迷惑じゃないですか?」

「はい、全く迷惑じゃないです!むしろ教えていただかないと困ります!」

「(笑)・・・ありがとう、河西さん。本当にありがとうございます。」


お母様は、今、パソコン教室やボランティアなどに力を入れて
毎日前向きに生きているそうです。

「Wordのレッスンが終わって、今Excelやってるのよ」

「え!私、パソコン苦手だから、多分もう追い越されてます(汗)」

「あら、それじゃいつでも教えて差し上げますよ(笑)」

Sの看病時から「普段どおりが一番!」と心がけてきたお母様。
Sも驚くほどに弱音を吐かず、ひたすら前を向いていました。
その点はやはり親子だなぁと思い、私は密かに尊敬しています。



昔の思い出も大切に。未来予想図も大切に。
でも、やっぱり今を大切に。


気づけば、自分の誕生日まで、ちょうどあと3か月。
この3か月を無駄にせず過ごしていきたいと思います。
by mikikasai819 | 2015-05-19 08:28 | にっき(日々の出来事) | Comments(0)