このき なんのき かさいみき

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元ラジオ局アナで今はフリーで活動中、河西美紀(かさいみき)のげんき・やるき・ほんきのつぶやき。

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キミとボク

先日も少し書きましたが改めて記します。

FM世田谷の朝番組でご一緒だったディレクターのAさんが突然亡くなりました。
50歳でした。

先週火曜昼の生放送を担当していたAさん、その日に出勤していらっしゃらず、
会社から電話をしたところ、自宅で倒れていたとのこと・・・心筋梗塞だったそうです。
数年前に心臓の病気を患いペースメーカーを入れながらだったとはいえ、
普段は本当に元気で、本人もまさかこんな最期は想像していなかったはず。
もう、なんともやりきれない思いでいっぱいです。

こうしてお別れすることになってしまって気づきました。
Aさんとの思い出がいかに多いかということに。
最初は隔週、3年前からは毎週金曜日顔を合わせていたわけですから
当たり前ですけどね・・・。

・・・5年前、ぐっとモーニングせたがやのパーソナリティーをするにあたり
オーディションがありました。
私はFM群馬をやめてからフリーランスで喋る仕事はしていましたが
ラジオのブランクがだいぶあったため、かなり不安でした。
そのときの審査をしたのがAさん。
合格の通知電話がかかってきたとき、
私はイタリアに一人旅をしていて、現地の電車の中。
日本では車内での通話はNGですが、イタリアの人は大声で話していることをいいことに
私もドキドキしながら出て、その時、「来月からお願いできますか」とAさんから言われました。
「はい!!!」
つまり、AさんのGoサインがあったからこその今です。

番組を始めた当初、私ならではのコーナーを作ろうということになり、
最初は「河西さん、ニュース読み安定してるし、
『ニュースを斬る』的なのは?」と提案されたのですが、
当時の私はコメントできるほどの自信がなくて、
それならプチ旅行みたいなものはどうでしょうと自ら提案し
「かさいみきのこのきなんのきまちあるき」が始まったという経緯があります。

東京都内の駅の周りを五十音順に選んで紹介するという試みは、
金曜日のオリジナルコーナー。
ほとんど私が1人で歩いていましたが、
時々Aさんも「一緒に行こうかなー」とノッてくれました。

・・・四ツ谷駅では私語禁止のJAZZ BARに連れて行ってくれました。
喋っちゃいけない中でどうしたものかと困りました(笑)。

・・・銀座駅を歩いたのはゴールデンウィーク。大混雑の中とにかく歩きました。
そばを一緒に食べたのがいい思い出。

・・・大塚・帝京大学駅に降り立ったら激しい雨。傘を遠いコンビニまで買いに行きました。
ここでもやっぱり甘味を食べ、大学キャンパスまで歩きましょうと言ったら断られました(苦笑)。

・・・舎人公園駅では公園でキャッチボールしてその腕を褒められました。
日暮里・舎人ライナーに乗っての移動、楽しかったなぁ。

・・・両国駅では江戸東京博物館に行き、Aさんは昭和の懐かしい展示に大はしゃぎ。
和喫茶で甘味を食べ、ちゃんこ鍋も食べ、満喫。

ひらがなをクリックするとさらに詳しいまちあるきの様子が読めます。
Aさんのことも時折出てきます。


ぐっとモーニングせたがやの全曜日スタッフ総出の飲み会を企画してくださるのも
いつもAさんでした。本当によくお店を知っていて、すごいなぁと思っていました。


プロ野球も好きで、巨人が好きな私にいつも話を振ってくれました。
優勝した年は「おめでとうございます」といち早く携帯にメールをくださった方です。
いつか一緒にドームに行きますか!なんて言っていて、結局果たせませんでした。


今思うと、本当に、いつも笑顔の人でした。


一方、独り言が多く、至極マイペースな選曲。
昔の業界エピソードが豊富で、同じ話を何度もしている(苦笑)。
でも、それがAさんの味でした。




・・・Aさんの告別式は、ご実家近くの相模原でした。
金曜朝、生放送を終えてから喪服に着替えて、
ADくんと一緒に待ち合わせて向かいました。
彼はまだ大学生。喪服を持ち合わせておらずリクルートスーツに黒ネクタイ。
でも、参列するという気持ちがAさんには絶対うれしかったはず。

FM世田谷の社員・契約アナ・ディレクターとたくさんお会いしました。
悲しい表情でしたが、お焼香しながらも、
実はどこかでまだみんな信じられない様子でした。
いや、信じたくなかったのでしょう。
でも、最後にお顔を拝見した時は、一斉に嗚咽。
私も、一気に涙があふれ、止まらなくなりました。
握りしめていたハンカチがどんどん湿っていきます。


本当だ、Aさんは本当にこの世を去ってしまったのだ。


まだこれからというときに。前日まで元気だったのに。
来週にでもスタジオに行けば普通にいる気がするのに。
「お疲れ様でーす」と声をかけてくれる感じすらするのに。

最後のお別れのとき流れていたのが
タック&パティがカバーしたTime After Time。
そのメロディーが心の琴線を揺さぶりました。
朝のスタジオの生放送の風景が頭の中をめぐり、
私は悲しさと悔しさと切なさが入り乱れて泣きました。

ところで、Aさんは鈴木蘭々の「キミとボク」という歌を
番組内で非常によくかけていました。
鈴木蘭々というあたりがまたコアですし
(私は「泣かないぞぇ」しか知らなかった・・・)
この曲にまったく罪はないけれど、
そもそもなぜ今こんなに頻繁にこれ???って思って
実はAさんがかけるたびにトラウマになっていた時期もありました(汗)。

「あのー、これ、この前もかかりましたよね?」って指摘しても
「だって、好きなんだもーん」と言われ絶句&撃沈。

その時から私の中では間違いなくAさんのテーマソングです(苦笑)。

廃盤になっているようですが、ポンキッキの歌だったのですね。
(作詞作曲はEPO)

こんなときに、改めて歌詞を見たら、なんといい歌なのでしょう・・・。



最後に、心をこめて記したいと思います。



キミとボクは昔からの
友だちのようにたたずむだろう
胸のおくで甘く香る
赤い薔薇が咲くとき

ひとめ会ってわかるものさ 
目印などなくても
星が生まれ夜が生まれ
そして朝がくるように

それが愛にかわるなら
僕は泣いてもいい 声をあげて

人と人のめぐりあいは
砂のつぶほどの奇蹟さ
キミとボクは昔からの
恋人のように抱きあう

たとえ愛とよべなくても
僕はそれでもいい そばにいれば

人と人のめぐりあいは
砂のつぶほどの奇蹟さ
キミとボクは昔からの
恋人のように抱きあう




人と人のめぐりあいは、砂のつぶほどの奇蹟・・・本当にそうですね。
Aさん!大切なフレーズとなりましたよ。
Commented at 2013-07-16 00:40 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by mikikasai819 at 2013-07-17 15:29
非公開コメントを下さった方、ありがとうございます。
そうです、想像されているとおりです。
本当に驚きました。なんというか、言葉が見つかりませんでした。
健康であることの尊さを痛感します。

ラジオ聞き続けてくださり、本当にありがとうございます。
考えてみればだいぶ長い期間となりましたよね。
こちらこそ、これからもどうぞよろしくお願いします。
by mikikasai819 | 2013-07-15 21:31 | にっき(日々の出来事) | Comments(2)

by mikikasai819