最高&最良の報告

高校の放送部には大きな大会が2つあります。
夏のNHK杯と秋の総合文化祭です。

私は現在、都立上水高校と私立共立女子高校で、アナウンス&朗読の指導をしています。

上水は創立7年目。
創設から携わっていて、都立で珍しい、大会上位常連校になってきました。

共立は私の母校。
強豪校だったのにここ数年衰退してしまい、昨夏からその立て直しを依頼されました。

どちらも大切な生徒たちだからどちらも手を抜かずに指導しますし、
どちらにも頑張ってほしい。

当たり前のことですが、そうはうまくいきません。

先月行われたNHK杯の都大会では、上水の生徒が大躍進!
アナウンス部門2位から5位までを独占、朗読も1位で全国大会に進出しました。
本当にすごいことです。

でも、共立は、残念ながら誰も入賞できませんでした。
その中でも、秋の大会でアナウンス1位を取っていたKさんの落胆は相当なものでした。
前回1位だったのに、今回6位にも入れなかった・・・

同じように教えていたのにここまでの差が出たことに、
私自身、自分の教え方は正しかったのだろうかと、しばらく悶々としていました。

そんな中、今回のNHK杯は残念でも、Kさんは去年秋の総文祭の都大会で1位になったため、
この夏、宮崎で行われる全国大会に東京都代表で出場することが決まっていました。
いわば、文化部のインターハイです。
(私も高校3年のときに出場しました。その時は愛媛。
2年前、上水の生徒を連れて行ったのは群馬。各都道府県、持ち回りで開催されます。)

「今度こそ絶対に上手く読みたい」
彼女はリベンジに燃えていましたが、同時に自信を完全になくしていました。
3年生最後の夏です。悔いは残してほしくありません。

私は、改めて自分を信じ、その上で、彼女の不安を取り除くことからはじめました。
そして、何よりも原点に戻ろうと言いました。

原稿を読むのではない、上手く読むのではない、
大切なのは「相手に伝えたい」という気持ち。
それは、プロも高校生も同じだと私は疑っていません。

ちなみに、全国大会といっても、総合文化祭はその名のとおり「祭」。発表の場。
順位を決める大会とは趣旨が違います。
ただ、上位10人には「優秀賞」というものが授与されます。

Kさんは最初、「絶対に優秀賞とりたいです!」と気合を入れていましたが、
私は、「賞をとることを目的にしちゃダメ」と諭しました。

気持ちはよくわかります。
誰だって上を目指したいし、私だって高校生のときは賞がめちゃめちゃ欲しかった。
でも、狙っていくのではなくて、「結果として選ばれる」、
そのスタンスで、とにかく肩の力を抜いてほしかったのです。

夏休みに入ってしまい学校が開放されていないけど、
コーチにどうしても指導してほしいということで、悩んだ挙句、何度か我が家に呼びました。
自分の喋りを録音して一緒に聞いて、どういう風に聞こえるか確認、反復しました。
指導後、お茶を飲みながら、プライベートの悩みなどもざっくばらんに聞きました。

宮崎行きの前日。彼女の表情からは迷いが消え、とてもすっきりしていました。
「コーチ、楽しんできます!」
そう、それでいい。楽しんで伝えることが何より。私は笑顔で送り出しました。



そして、宮崎からのメール。



まずは、アナウンス発表直後。


「めっちゃ気持ちよくとっても楽しんでアナウンスができました。
ありがとうございました!!!!」



正直、こんなにうれしいことはありませんでした。
彼女が自信を持ってやり遂げたことを誇りに思いました。





それだけでも本当に満足だったのに・・・





閉会式後にもう1通届いたのです。




「優秀賞いただきました!!!!!!!!!!!!!
本当にありがとうございました!!!最高です!!!」





「!」の多いこと多いこと(笑)。
でも、それだけ喜んでいる姿が目に浮かび、電車の中だったのに涙が出そうになりました。



よかった。本当によかった。頑張ったね。
私は直接聞けなかったけど、きっと、いつもどおりの読みなら、
あなたのアナウンスは会場のみんなに伝わったよ。

教える立場でありながら、本当に多くのことを教えてもらいました。
ありがとう。そして本当におめでとう。

文章が上手くまとまりませんが、しばらく余韻に浸りたいと思います。
Commented at 2010-08-06 13:02 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by mikikasai819 at 2010-08-10 16:33
非公開コメントを下さった方、ありがとうございます。
家に呼んだのは本当にイレギュラーでした。
でも、結果的によかったなと思っています。

私は出身校を小学校から大学まで隠さず載せているので
今後も時折出てくると思いますよ。
そういえば、年齢も隠さず出していますね(苦笑)。
by mikikasai819 | 2010-08-06 00:07 | にっき(日々の出来事) | Comments(2)

元ラジオ局アナで今はフリーで活動中、河西美紀(かさいみき)のげんき・やるき・ほんきのつぶやき。


by mikikasai819