両親の仕事する姿を見ること

だいぶ前にもブログに書いたかもしれませんが、
私は幼い頃、サラリーマン家庭に憧れを抱いていました。

お父さんがネクタイを締めて出かけていって「いってらっしゃい」と見送る図。
ボーナスが出たらみんなでご飯を食べに行く図。
課長だ部長だと昇進してお祝いをする図。

ええ、もちろん、あくまでイメージです(爆)。
イメージでしか分からない世界でした。

我が家は自営業(寝具店経営)だからです。

店が開く時間設定が9時半というのをいいことに、
私が学校に出かけるときまで寝ていた父親。
ランドセルを背負いながら「お父さん起きて!」といつも叫んで、
しぶといときは馬乗り(笑)。
ボーナス?そんなものはない。
課長?部長?上司もいなければ部下もいない。

でも、家に帰ったら祖父・祖母・父・母、皆そろってて、
店でお客さんの対応をしているのをこの目でいつも見て、
時には「みきちゃんお帰り!」と周囲の商店のおじさんおばさんや
お客さんにだって声をかけられ、
売り出しのときは大人に混ざって手伝ってみたくて
頼みもされないのに頑張ったこともあって(そのエピソードはこちら)・・・。

そんな我が家、今月いっぱいで店をたたむことになりました。

それこそ会社勤めじゃないから、退職の時期もなければ退職金だってない。
父の意向ひとつで決まる。
それがちょうど今だったということ。私はその決断を誇らしく受け止めています。

大型スーパーや通販が当たり前になり、個人商店主は実に厳しい日々。
無理に続けることが幸せではないのだと、
幼い頃から両親は子供のやりたいようにやることを望んだ。
私にはもちろん、長男である弟にも店を継いでほしいなんて一度も言ったことはない。
このご時勢、確かにそうだ。

祖父から始まって2代。今、確実に、それも静かに終わろうとしています。

「なぜお父さんはサラリーマンじゃないの!」「布団屋ってからかわれてすごく嫌だ!」って
今になって思えばひどいセリフをはいたもので(苦笑)、
でも、母に聞いたら「私も布団屋の娘っていうのが嫌なことがあった」って笑ってて、
(祖父母は母方の両親)こういうのも世代を超えるのかって思ってみたりしました。

それで、数日後から店じまいのセールをするとのことで、
ひょんなことから仕事中にその話をしたら、
スタッフのKちゃんが「ちょうど布団を買おうと思っていたんです!」って
わざわざ実家のある東京都小平市まで出向いてくれました・・・。
以前にも知り合いを連れてきたことはありましたが、
どう思われるかな・・・って心配になったりするもので、それは今回も変わらず。

でも、Kちゃんにあれこれアドバイスしながらセレクトしていく親の姿を見て、
なんだか恥ずかしくて横で茶化しちゃう反面、
この様子を見ることももうないのだと思うと、歴史を感じました。
店の中の品数も明らかに少なくなっていて
(そりゃそうですね、もう仕入をしないわけですから)
こうやって、終わっていくのか・・・とさすがにちょっとだけ感傷的になりました。
格好良く電車通勤をする父親の姿は見られなかったけど、
お客さんを大事にして、私が生まれる前からこの地で頑張っていたのだな・・・。

そんなわけでKちゃんには本当に感謝です。
布団だけではなく、偶然目に入った半纏(はんてん)まで
「うわ、ちゃんちゃんこだ!欲しかったんです!」といいながら手にしてくれました。
(これから夏なのに・・・笑。せっかくなので、全種類の色を試着させた私・・・笑)

我が家だけでなく、個人商店が今、どんどん閉まっていきます。
あの店も、この店も・・・。
大型店の便利さはもう欠かせない!と思う反面、
職人の技が消えていくことへの一抹の寂しさも募る今日この頃です。
Commented by まこちん at 2007-05-15 21:09 x
みきさんと出会ったのは中学になってからだけど、私が幼稚園のころからみきさんのお店で布団を買っていました。
中学になったとき「あの布団屋のかさいさんと同じクラスになった!」と思ったもんです。
ご家族の方に長い間お疲れ様でしたとお伝えください。
Commented by kiyonee at 2007-05-15 22:42 x
ひさしぶりですー。気になる題名で覗いてみました以前みきてぃの実家が自営業と聞いて意外だなぁと思ったの覚えています。
(私って東京出身の人ってみんなサラリーマン家庭だと勝手に思い込んでいた・・・)
うちの実家も祖父の代から自営業(食品会社)をやっていたのですが、もう15年くらい前に父が決断し会社を閉めました。
それから10年くらいは父も親戚の会社で、母はパートをしていました。
昨年、68になった父もようやく引退し、大好きな釣りを楽しんでます。母は数年前にヘルパーの資格を取り、祖母の介護も合わせて
飛び回っています。
やはり、小さいときから親の働く姿をいつも見てきたから、
いま、私も自営業家に嫁に行き、違和感なくがんばれるのだと思います。
小さい頃はサラリーマンと結婚したいなんて思っていましたが・・・。

自分の親には面と向かって言えなかったなぁ。
みきてぃのご両親本当に長い間お疲れ様でした。
Commented by さなえ at 2007-05-16 22:34 x
さなえです。なんだか、とても淋しいです。私は、ハンテン買いました。一緒に購入した枕(そばがら)は現在も愛用中。
おじ様と、おば様に《ありがとうございました》と《お疲れ様でした》を、お伝えください。
Commented by mikikasai819 at 2007-05-17 14:48
まこちんさん、ありがとう。
そうでしたか・・・私のことを既に
入学当初からそうやって認識していましたか(苦笑)。
そういう私も、まこちんさん宅が昔から我が家のお客さんだと
しっかり知らされていました。
私が言うのもなんですが、「毎度ありがとうございました。」
Commented by mikikasai819 at 2007-05-17 14:54
kiyoneeさん、ロングな書き込みをありがとうございます!
ご実家の背景がすごく浮かんできました。
親の働く姿を身近に見るというのは、
無意識のうちにすごく貴重な体験をしていることなんですよね。
父はこの後どう過ごすんだろう・・・
以前、「老後は金魚の世話をしながら暮らす」と
家で飼っている金魚の水槽に向かって言っていたときは
娘として相当不安でしたが(笑)、
kiyoneeさんのお父様と同じく釣りがすきなので、
多分あちこち出かけることでしょう。
Commented by mikikasai819 at 2007-05-17 14:57
さなえさん、お久しぶり。書き込みありがとうございます。
(そばがら)とわざわざ括弧書きでしてくださったところが
なんだかこちらもしみじみします。
寝具に囲まれて育ちながら実は何も語れない私ですが、
今もそうして愛用していただいているということは、
個人商店ならではの「品質重視」の証になるのかな・・・。
必ず両親に伝えます!
by mikikasai819 | 2007-05-14 18:18 | にっき(日々の出来事) | Comments(6)
元ラジオ局アナで今はフリーで活動中、河西美紀(かさいみき)のげんき・やるき・ほんきのつぶやき。

by mikikasai819