飛行機内の目に見えない信頼関係

高知空港の胴体着陸。何度もテレビでその瞬間を見ましたが、
いやー、あれ、機内にいたら私は完全にパニック状態になっていたことでしょう。
それでも、無事に救助された乗客のコメントを見ていたら
「機長にすべてを任せていました」
「もう自分ではどうすることも出来ないので祈っていました」というのがありました。

実は、先日の海外旅行の際、機内誌の中に感銘を受けた文章があって、
それを保管しておいたのですが、まさにこれだと思い、改めて広げて読んでみました。
JALのパイロット嵯峨田峰敏さんの文章です。

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「安全運航の基本はプラスのストローク」。
近年、航空機はコンピュータの導入によりシステムの自動化が飛躍的に進んでいます。
そのような中で航空業務に従事する者は、
一見機械を相手にしているように思われがちですが、
実際には人間こそがもっとも重要な相手であると考えています。
いかに自動化が進もうと、安全運航のためには、人間の心理やコミュニケーションなど、
人と人とのかかわりを置き去りにすることは出来ません。
(中略)
ストロークとは、交流分析における感情に関する概念のことで、
「相手の存在や価値を認めること」とされています。
ストロークがプラス(肯定的)であれば快い感情になり、
マイナス(否定的)であれば不快な感情になります。
基本的なことですが、「挨拶する・目を見て話す・うなずく・微笑む・見つめる」といった
プラスのストロークは信頼関係を深め、安全運航に欠かせない要素にもなります。
(中略)
私たちパイロットはコックピットが客室と扉で隔てられ分離しているため、
お客様の姿を一度も見ないままにフライトを終えることもあります。
そういう中でも出来る限り、
コックピットでゲートからご搭乗されるお客様の姿を拝見するように心がけています。
スーツ姿のビジネスマン、赤ちゃんを抱いたお母さんやお年寄りの方・・・。
お客様の顔を拝見し、心にインプットすることで、
いっそう心を引き締めてフライトに臨めるのです。
(中略)
これからも航空業務に従事するわれわれとお客様との相互信頼をいっそう深め、
お客様に安心してご搭乗いただけるよう努めていきたいと思っています。

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ちょっと割愛したところがありますが、これを読んだときに、
「こういう人が操縦する飛行機に乗りたい」と素直に思いました。

今回の胴体着陸、そもそもの問題点は前輪が出ないというミス。
あってはならないことです。
でも、その中で、自分だって不安なのに、機長はもちろん、客室乗務員も
乗客のことを第一に考え、ありえない緊迫感の中で最善の方法を考えたと思います。
成功したから英雄、失敗したら悪者という簡単なものではありません。
信頼関係を壊さないためにも、これからしっかり究明してもらいたいと思います。
by mikikasai819 | 2007-03-14 23:08 | にっき(日々の出来事) | Comments(0)

元ラジオ局アナで今はフリーで活動中、河西美紀(かさいみき)のげんき・やるき・ほんきのつぶやき。


by mikikasai819