4月25日午前9時18分

うまく言葉に出来ないので、文章が支離滅裂になるかもしれません。
あらかじめお断りします。
でも、どうしても書き記しておこうと思います。

・・・福知山線の脱線事故から1年。
今日が近づくにつれてテレビなどは再びこの事故のことを取り上げていました。
でも、昨日や一昨日、一週間前とは違って、やはり今日は、
見ている側からしても、特別な思いがこみ上げてきました。

去年の今日、私は朝から貧血気味で体調が悪かったため、
日中、当時務めていた派遣会社のお仕事をやむなくお休みさせていただいて
家のソファーでボーっと横になっていました。
10時前後、気分がすぐれないので、
フジテレビ「こたえてちょーだい」の主婦向け再現ドラマでも見て気分転換しようと
テレビをつけて見ていたら(流していたらという方が適当かもしれません)、
突然、事故現場に映像が切り替わりました。
(その後、「こたえてちょーだい」のスタジオには戻らず、緊急報道番組となる)

・・・あまりの衝撃に、めまいがしました。
一気に体が重くなり、震えがとまらず、それでも真相を知りたくて、
起き上がってソファーの上に座りなおして画面を凝視していました。
私自身、尼崎に友人が住んでいたため、「もしかしたら乗っていたかもしれない!」と、
電話したりメールしたり・・・しばらく連絡が取れず、非常に心配したりもしました。
(実際、その電車には乗っていなかったのですが)

また、途中チャンネルを変えて各局の様子を見る中で、
アナウンサー受験時代に仲良くなった読売テレビキャスターの友人(同い年)が
大阪から必死に中継先とやりとりをしている映像なども入ってきました。
「うわー、彼女が出ている!」と画面上での不思議な再会。
もっと別のニュースだったら私は笑顔で興奮しただろうし、
彼女の活躍を素直にうれしく、またちょっぴりうらやましくも思えただろうに、
時間を追うごとに事故の大きさが明らかになり、
その一方で入ってくる情報があいまい且つ限られている中で必死に伝えている様子を見て、
一視聴者として張り詰めた気持ちはずっと消えませんでした。

何時間そうしてテレビを見続けたでしょう・・・事故の大きさにショックのあまり
具合が悪くなり立ち上がれず、やっとの思いで、
夕方、野球のお仕事に向かったという記憶があります。
試合展開もあの日はなかなか頭に入ってきませんでした。

その後、遺族の方々、マンションの方々、JRの方々、救出活動をされた方々・・・
色々な側面からのコメントを新聞で読んだりテレビで見たりしました。
正直これまで様々な痛ましい事故がありましたが、
これほどまでに激しく動揺することはありませんでした。
普段自分たちが使う通勤時間帯の電車であれだけ多くの人が命を失った・・・という
誰もに起こりうる「日常」の中での事故という事実も非常に大きかったのです。

今日、テレビ各局がどんな状態で9時18分というその瞬間を伝えるのか、
職業柄ということもあり関心がありました。
(全く関係なく情報番組をしているところもありました。)
私は去年と同じようにソファーに座って、とくダネを見ていました。
番組では遺族の1年とJRの運転士の1年をまとめていました。
編集されているところもあると思いますが、
本当に1年間、残された人がどれだけ大変だったのか、見ていて胸が痛みました。

そのうち、事故発生時間が近づいて現場の映像に切り替わり、
リポーターがまさに今現場を通る電車の様子を伝えはじめました。
そのとき、電車が汽笛を鳴らしたのです。
追悼の汽笛です。

ずいぶん長いこと鳴らしていたように思います。

その汽笛は、私の涙腺の蓋を一気に開けました。

・・・涙が止まらないのです。
ごめんなさい、テレビの前の私の号泣なんて事故の関係者の方々にしてみたら
薄っぺらなもので、同情としかとらえられないかもしれません。
でも、冷静になろうと努めても涙が止まらないのです。
電車にはたくさんの方が乗っていました。
おそらく遺族の方も何人か乗っていらっしゃったでしょう。
運転士さんもどんな気持ちで鳴らしたのでしょうね・・・。

あとから振り返ってみると、あのような生中継、しかも、事故から1年という、
今しかないその瞬間に、現場から喋ることはとても難しいことですが、
リポーターはその電車の様子をしっかり、ゆっくり伝えていました。
スタジオも皆、その汽笛に涙をこらえて適切な言葉を探しながら対応していました。
伝える側は感情的になってはいけない、プロだったら泣かないで事実を伝える。
普段、私が心に刻み付けていることです。
中には「そうやって感情を出すことが人間らしい」という方もいらっしゃいますが、
報道の仕事のときは自分の気持ちは封印しつつ、
視聴者の気持ちの予測を怠らずに伝えられるかというのが大事だと思っています。
でも、今日ばかりは、私だったら冷静に出来ただろうか・・・と
不安になったのも事実です。私だったらどう伝えるだろうか。私だったら・・・

長くなりますが、今回、もうひとつの自分の中での発見は、黙祷について。
9時18分、その瞬間、私はNHKに切り替えました。
NHKは追悼式典の会場を映していました。
現場の映像と異なり、正直、現実とかけ離れた別世界に感じました。
その中で、司会者の声が聞こえてきました。

「黙祷」

私はテレビの前で涙が止まらない状況で目をつぶってみて、
恥ずかしながら、今回初めて黙祷の意味の重さを実感しました。
無言で心の中で祈ることがどれだけ大変か。

子どもの頃から何かの折に目をつぶり黙祷してきましたが、
1分目をつぶっていることすらも、心がなければつらいものです。
戦争関連の黙祷も、自分の知らない昔のことなので
強く祈っても何か自分の本当の想いがつかめないまま1分が過ぎてしまって、
無味乾燥にすら思えて悔しかったこともあります。
それが今回、テレビの前の黙祷なのに、静かな穏やかな気持ちで祈れない・・・。
あれこれ思い出して心が揺れ動いてしまうのです。
そんな自分自身に驚きました。

その中で、
10秒かけて涙を止めて、
10秒かけて息を整えて、
10秒かけて去年の事故をしっかり思い出して、
10秒かけて犠牲者の冥福を祈って、
10秒かけて事故再発防止について考えて、
最後の10秒で「無」の状態になった・・・
もちろん、計っていたわけではないのでこんな時間配分はないに決まっているのですが、
自分自身1分のなかにたくさんの思いが生まれたように思います。

そして今日も私は去年と同じように夕方野球の仕事に出かけます。
同じことができる幸せを受け止めながら、頑張ってきたいと思います・・・。
by mikikasai819 | 2006-04-25 11:54 | にっき(日々の出来事) | Comments(0)

元ラジオ局アナで今はフリーで活動中、河西美紀(かさいみき)のげんき・やるき・ほんきのつぶやき。


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