最前列でのオーケストラ

大好きな1日(ついたち)にブログを更新できませんでしたが(笑)、
ちゃんと充実した日を送ることができましたので、1日遅れで記しますよ。

私は今年の5月にコバケンこと小林研一郎さんが指揮する「運命」を聴いて
人生初めてオーケストラの演奏で涙を流したのですが
(その時の記事はこちら
それを知った方からお誘いを受けて、人生2度目の生コバケンを聴きに
雨の中サントリーホールまで行ってきました。
e0039787_18304227.jpg

チケットを手配してくださったのは、誘っていただいた知人の知人。
コバケンが大好きでいつも欠かさず鑑賞しているとのことで
筋金入りのファンでいらっしゃいます。(ちなみに初対面!)

さて、どのあたりで聴くのかしら・・・?
入場直前に現地でいただいたチケットを見て驚きました。
e0039787_18301827.jpg


・・・

・・・

・・・1階1列?

えーーーーーー!!?!?

前の方とは伺っていましたが、まさか最前列とは!!!

(ちなみにポップアーティストのコンサートで1番前というのは
過去に3度ほどあります。
幸せすぎて倒れそうだった日本武道館の布袋寅泰、
友達から誘ってもらったグリーンドーム前橋のモーニング娘。、
あとは・・・、人生初は渋谷公会堂のささのみちる・・・って
どれもだいぶ昔の話ですが、いずれも大興奮でした。)

それにしてもオーケストラの最前列って未体験ゾーンです。

「コバケンが好きなので、どうしても前の席で観たいので、
いつもこのあたりです。」

なるほど。実際、最前列はS席ではなくA席でした。
純粋に音楽を楽しみたいならもう少し後ろの方が間違いなく良いでしょう。
しかしこの席では、確かに指揮者の姿は抜群に見えます。
コンサートマスターも目の前です。
舞台の縁ギリギリに編成されているものですから、
こちらが緊張してしまうほどに、ホントに、すぐそこにいらっしゃいます。
弦楽器がよく見える代わりに、後ろは全く見えません。
管楽器の方やパーカッションの方の様子は分からない・・・
舞台を見上げながら演奏を聴く・・・これはすごい体験だ・・・。

(本番前に写真をおさめたかったのですが、
そこまで頭が回らないほどに、初の状況に飲み込まれていました。笑)

曲目はマーラー作曲 交響曲第2番「復活」。
正直、ベートーベンの「運命」ほどに馴染みはなく、
事前に家で予習をしてもなかなか頭に入ってこない曲調で、
どうかなと思っていました。
しかも、第5楽章までで80分以上。
実に長いですが、休憩なしとプログラムにはありました。

演奏始まった直後、最前列のすごさを感じます。
指揮者の表情が全て見えるのです。
頭を横に小刻みに振りながら、時に強く、時に優しく、
目を見開いたり目を閉じたり、独特の唸り声も聞こえて、
片時も目が離せなくなってしまいました。
最も難解だと思っていた第1楽章の20分はあっという間に過ぎました。

ここで、驚くことが。

コバケンさん、おもむろに椅子に腰かけて、
しばらくしたら、「5分休憩します」と肉声で叫んで
舞台袖に引っ込んでしまったのです。
ソプラノとメゾソプラノの方が既にスタンバイされたにも関わらず。

それはもう、心配しました。
本来休憩しないはずですから。体調がすぐれないのかしら?
(74歳でこれだけ激しくタクトを振るのですからね)

ただ、この楽曲はもともとの楽譜に「第1楽章のあとは5分程度休憩をとる」と
指示がしてあるのも事実です。
実際に間を取るオーケストラもあるそうです。
とはいえ、休憩なしとプログラムにも書いてあるわけで、
演奏者も客席もそのままの状態で、休憩というより止まっているという、
なんとも言えない数分が流れました。

無事、第2楽章スタート。ここからは休みはありません。



正直、しばらく集中できない時間帯が続きました。


メロディーも分からないので、ただただ聴くだけ。


私の中では、このまま今回は
「(普通に)良かった!で終わるかな・・・」とすら思いました。




それが、第5楽章(最終楽章)になって、


来ました来ました!!


コバケンワールドの魔法に
じわじわと心を揺さぶられてきたのです。


東京音楽大学の学生の合唱と、ソリストの歌声、
そしてコバケン自らも口ずさむ炎の指揮。

確かに前回の「運命」の時もそうでした。
静かなところから一気に盛り上がるところに、
決意と覚悟と解放且つ開放、想いがあふれ出てきました。



でも、そこまで「復活」には、思い入れは、ないし・・・
さすがに今回は・・・そこまでは・・・



そうして、ホントに残り5分切ったあたりのところかな、
私は、自分の目が涙でいっぱいだったということに
右頬を伝ったことで初めて気づきました。

ああ、泣こうと思っていたわけではないのに。
具体的に感情を言葉では説明できないのに。
これが答え、なんだろうな。

曲が終わり、ブラボーの声が聞こえ、
セクションごとにコバケンが讃え、みんなで何度もお辞儀をします。
その光景もやはり泣けます。
コバケンさんは最後に肉声で、
「さすがにこのマーラーの後にアンコールはありません」と笑いを誘い
「今日のこの特別な雰囲気のままお帰り下さい」 と。

「感動をありがとう!!!」と誰かが叫び、満席のサントリーホールは大拍手。

終わった時の私は「いやー、もう、ホントに、あー」とか
そんな感じのことしか言えていませんでした。
涙でパンダ目になっていないか、その心配をしながら・・・。

お隣で観ていた知人の知人(繰り返しますが初対面!笑)の方からは

「コバケンの指揮は賛否両論あるので、苦手という人も多い中、
河西さんにこれだけ感動していただけるなんて、本当に良かった!
お付き合いいただきありがとうございます!」と。

いや、もう、そんなそんな。お礼を言うのはこちらの方です!
すごいものを観させていただきました。
日本フィルの皆さん、お疲れ様でした!!



・・・今回聴いた、マーラーの「復活」。
人生の終末のあと最後の審判を受けた英雄が、
やがて永遠に復活するまでを描写した曲と言われています。
「復活するために死ぬ」・・・と言われても、
実際のところ、現世で亡くなった人は復活しません。
でも、生きている間は、ボロボロになった心は何度でも復活できる、
「苦しみを乗り越えた魂の復活」と解釈すると、
ますます大きな意味を持つ曲だなと思います・・・。

本来こういう薦め方は良くないのかもしれませんが、
長い曲なので、聴いたことない方は第5楽章だけでも是非。
by mikikasai819 | 2014-11-02 19:46 | にっき(日々の出来事) | Comments(0)

元ラジオ局アナで今はフリーで活動中、河西美紀(かさいみき)のげんき・やるき・ほんきのつぶやき。


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