祖父との別れを記すVol.2「大阪での訃報」

祖父の四十九日法要が終わったので、数週間前に書き終えていながら
UPできなかった文章を載せています。
私の中では本当に大きな出来事だったので・・・。Vol.1はこちら

生死の重い話題はちょっと・・・という方はスルーしてください。

☆☆☆

5月6日。私は主人とともに旅行に出た。行き先は和歌山。
途中、名古屋で下車するなどして、新大阪についたのが18時過ぎ。
和歌山には明日行く予定で、とりあえず本日の宿に向かう。
「いやー、大阪久しぶりだなー。何食べたい?」なんて話をしながら、チェックイン。

そのとき、携帯が鳴った。母からの着信だ。

咄嗟に、すごく、嫌な予感がした。
母は、私に電話をするとき、わざわざメールで「今、電話していい?」と打ってくることが多い。
それがなく、いきなりかかってきたのだ。
さらに、母は、事後報告が多い。
「実はおじいちゃんが昨日入院したの。忙しいかと思ってちょっと連絡を控えていた」などと
以前にも言われたことがあったので、
「そういうことはもっと早くそのときに言って!ちっとも嬉しくない!」などと声を荒げたこともあったほどだ。

その母からの着信だ。祖父が危篤とか・・・?いや、まさかね。

「もしもし?」

その「まさか」より、もっと非情な宣告だった。

「美紀、驚かないで聞いてね。おじいちゃんね、さっき亡くなったの」




さっき?さっきって何?もう亡くなったって・・・何?

祖父は亡くなる1時間前まで、看護師さんと普通に会話していたとのこと。
もちろん、声はそんなにすぐよくなるわけではないけれど、
ちゃんとコミュニケーションを取れていたとのこと。
両親と祖母が見舞いに行ったのも、亡くなる、たった3時間前。
祖父は誰もが心底ビックリするほどあっという間に天国に旅立ってしまったのだ。

実は、もともと大きな動脈瘤があったようで、それが破裂してしまったら、
もうそのときはダメです・・・と医者に言われていた。
(高齢だから手術も不可能)
結果的に、そういうことで突然逝ってしまった。
その証拠に、突然鼻血が出て、看護師さんが先生を呼びにいって、
戻ってきたときには、もう心肺停止状態だったらしい。
祖父は動脈瘤のことを知らされていなかった。きっと本人が一番ビックリしたに違いない。
何が起こったか分かったのだろうか。そう思うと、いたたまれない。

母の電話を切って、我に返る。
チェックインを済ませた主人が、エレベーターの前で待っている。
私の様子を見て、ただ事ではないと思ったみたい。
でも、私は毅然として「おじいちゃんね、今、亡くなったって」と伝えた。
主人も「え・・・」と驚きを隠せない。とりあえず部屋に入る。
でも、正直、エレベーターから部屋までの廊下の道のりは全く覚えていない。
部屋に入って、祖父がいないという事実がボディーブローのようにじわじわとくる。
身内、しかも一緒に住んでいた本当に身近な家族が亡くなるという経験は、初めて。
(小学校のときに父方の祖父の葬儀に出たが、あまり記憶にない)
人間、いつかは命が尽きると理屈では分かっていても、
もしかしたら我が家はみんな200歳くらいまで生きるすごい人種かも!なんて
アホみたいな理想を抱いていた。

でも、今、確実に、祖父はこの世を去ったのだ。
私が、新大阪についたころだろうか。地下鉄に乗り換えた頃だろうか。
おじいちゃん、本当にいないの?うそでしょ?昨日会ったじゃないか!!!
一気に感情が爆発した。大波、小波、涙の波が押し寄せてきた。
しばらく、記憶があいまいだが、ブログを記そうと思って、文章をしたためたのと、
その日はどうやっても東京にはもう帰れないから、
明日の早い時間に新幹線で戻ろうということにしたのは覚えている。
(飛行機のキャンセルなどは主人に一任した)

そして、泣きはらしていても・・・と思って、頑張ってお好み焼き屋に繰り出した。
今日で旅行は中断。せめて、大阪に来たのだから・・・と。
行ったお店は、すごくいい雰囲気で、静かに落ちついた席に案内されてとても助かった。
ほとんど食べられなかったけれど、牛スジ焼きが一口、とても美味しかった。
生きていることを実感すると同時に、祖父はもう生きていないと思うと、涙が止まらなくなった。

ビールをガブガブという気にもなれないので、梅酒を頼んだ。
なぜなら、その梅酒の名前は百年酒だったからだ。祖父は、100歳まで生きるのが目標だったのだ。
おじいちゃん・・・ううっ、おじいちゃん・・・声をあげずに泣きながら食べた。飲んだ。
大阪に来るたびに、絶対思い出してしまうだろうな。
でも、改めてちゃんと訪れたいと思う、いいお店だった。
雨がしとしと降り止まない。その晩はやはり寝付けなかった。

続く
by mikikasai819 | 2009-06-21 23:18 | にっき(日々の出来事) | Comments(0)

元ラジオ局アナで今はフリーで活動中、河西美紀(かさいみき)のげんき・やるき・ほんきのつぶやき。


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